OS-1は2001年に発売開始した、経口補水液です。
脱水症状からの回復に効果的と言われており、近年ではドラッグストアに置いていることも多くなてきています。
また日本で経口補水液の認知度を上げたのも大塚製薬OS-1の功績とも言えるでしょう。
このページでは、高齢者に起きやすい脱水症とOS-1について書いてみたいと思います。
高齢者は脱水になりやすい
体の中の水分量は、小児は70%、成人は60%、高齢者は50%と年齢に反比例して少なくなっていきます。
これは高齢になると筋肉量が少なくなり、だんだんと体のなかに水分を貯めておけなくなってしまうからです。
その他にも、のどの渇きを感じにくいため、水分を欲しがらなくなってしまったり、
汗もかきにくいため、体温が上がりやすいことに加え、
本人は体温が上がったことにも気が付きにくいので、気が付いたら脱水症になっていたりすることがあります。
脱水症になってしまうと、なるべく早く水分を補給する必要があるのですが、
そんなときに便利なのが、OS-1という経口補水液なのです。
「飲む点滴」として開発されたOS-1
点滴にはいくつか種類があります。
1.脱水症のときなどに使われる「水・電解質補給液」
2.1〜2週間くらい何も食べられないときに使う「補助栄養」
3.2週間以上も食べられないときに使う「総合栄養」
1.の脱水症の時に使用される「水・電解質補給液」を、点滴ではなく口から摂れたら理想的ではないか、というコンセプトで開発されたのが大塚製薬のOS-1です。
開発の経緯を知れば、飲む点滴と言われるのもわかりますね。
もちろん成分的にも、スポーツ飲料とは違いがあります。
OS-1と一般的なスポーツ飲料のと比較
OS-1とメジャーなスポーツ飲料である、アクエリアスとポカリスエットの栄養成分表示欄の値を引用して比較してみました。
各社それぞれに共通の項目だけ書き出してあります。
値はすべてペットボトル製品の100mlあたりの表示値です。
OS-1 | アクエリアス | ポカリスエット |
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エネルギー 10kcal | エネルギー 19kcal | エネルギー 25kcal |
タンパク質 0g | たんぱく質 0g | タンパク質 0g |
脂質 0g | 脂質 0g | 脂質 0g |
炭水化物 2.5g | 炭水化物 4.7g | 炭水化物 6.2g |
食塩相当量 0.292g | 食塩相当量 0.1g | 食塩相当量 0.12g |
カリウム 78mg | カリウム 8mg | カリウム 20mg |
マグネシウム 2.4mg | マグネシウム 1.2mg | マグネシウム 0.6mg |
2015年に食品表示規準が施行されてからは、 栄養成分表示欄 の 「ナトリウム」は「食塩相当量」に換算して表示することになりました。
換算式については省きますが、比較表の食塩相当量が多いということはナトリウムが多いということになります。
OS-1は他のスポーツ飲料に比べて、食塩相当量、カリウム、マグネシウムの値が高いのがわかります。
食塩相当量は約3~2.5倍、カリウムは約4~9倍、マグネシウムは約2~4倍ほど含まれているようです。
OS-1は少ししょっぱいと言われているのは、食塩相当量が多いからなのですね。
OS-1が他のスポーツ飲料に比べて、こういった成分が多いのはなぜでしょうか?
それは脱水症から一早く回復するためには、水分と一緒に電解質も補充する必要があるからです。
電解質とは
飲む点滴であるOS-1は水と電解質を補給する目的で開発されました。
電解質は血液や体液に含まれていて、筋肉や神経の働きに深く関わっている物質です。
水に溶けると電気を通す性質があり、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロール(塩素)を5大栄養素のミネラルと呼ぶそうです。
脱水症からいち早く回復するには、筋肉や神経の働きも重要になるため、
水分だけでなく、電解質も補充する必要があるのですね。
赤ちゃんが飲んで大丈夫なの?
公式サイトによりますと、母乳やミルクが飲めていれば、赤ちゃんが飲んでも大丈夫なようですが、いくつか注意事項がありましたので引用しておきます。
急性下痢症の小児が
生後何カ月の赤ちゃんから飲用できますか? ( OS-1のHPより )
医師の診察を必要とする状況と徴候
・乳児である(6カ月齢未満または体重8kg未満)。
・ 早産の既往、慢性疾患または併発症がある。
・ 3カ月齢未満の乳児では38℃以上、3〜36カ月齢の乳幼児では39℃以上の熱がある。
・ 目視できる血便がある。
・ 頻回かつ多量の下痢を含め、排出量が多い。
・ 嘔吐が持続している。
・ 看護者から脱水症と一致する徴候の報告がある(眼のくぼみ、涙の減少、粘膜の乾燥、尿量の減少など)。
・ 精神状態の変化がある(刺激反応性、感情鈍麻、嗜眠など)。
・ すでに行なっている経口補水療法がそれほど奏功しないか、看護者が経口補水療法を行なうことができない。
https://www.os-1.jp/faq/11/
どのくらいの量を飲めばいいの?
OS-1の1日の摂取目安量は学童・成人・高齢者で、500〜1000mlです。
高齢者が1日に必要とする水分量は、食事に含まれる水分とは別に、1200~1500mlの水分が必要と言われていますので、
500mlのOS-1ペットボトルを1日に2本にプラス、お茶をコップ一杯飲めば、
1日に必要な水分量は確保できることになります。
(循環器などに持病がある方はこの限りではありませんので、医師に相談してください)
味について
味はスポーツ飲料に似ていますが、ややしょっぱいです。
その時の体調によって味の感じ方が違うと言われています。
美味しくないという人もいるでしょう。
しょっぱい理由ですが、スポーツ飲料よりも塩分(ナトリウム)が多めに入っているためです。
注意事項
高血圧、腎臓病、糖尿病などの疾患のある方は医師に相談してください。
うちのおばあちゃんはかかりつけのお医者さんに相談してみたところ、
1日1本なら問題ないとのことでした。
心臓が弱ってきているので、一応相談してみました。
高齢者向けの飲み方のコツ
高齢者の方が冷たいものを口にするとお腹が冷えてしまい、
体温を維持するために体力を使ってしまいます。
特に夏の暑い時期には、冷たいものをとりたくなりますが、
冷たいものばかり口にすると夏バテしやすいので、
常温か電子レンジで軽く温めて飲ませて上げた方が良いかと思います。
電子レンジに入れても成分は変わらないようですが、沸騰はさせないでください。
OS-1はお茶に比べると、若干トロミ材が効きにくいので、嚥下障害がありトロミをつける必要のある方はOS-1ゼリーもおすすめです!
OS-1ゼリーも常温がおすすめですが、温めることはできないようなので注意してください。
発熱がある場合は、体を冷やしつつお医者さんや看護師さんに相談してください。
どこに売ってるの?
ドラッグストアや薬局、病院内の売店などで購入することができます。
大量に購入すると結構な重さになるので、ネット通販が便利です。
僕はよくアマゾンで箱ごと購入しています。
まとめ
高齢者は脱水になりやすく、また脱水になってしまうと、意識も朦朧としたり、
食欲が落ちたり、嚥下機能も鈍ってしまいます。
こまめに水分補給をし、脱水症にならないように心がけたいですね。
夏本番になる前に、数本常備しておくと安心ですよ!