エアコンを使ってくれない親を3タイプに分けて攻略する方法

アイキャッチ クーラー
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東京消防庁によると、熱中症による救急搬送の約半分(53%)は65歳以上の高齢者で、さらに発生場所で一番多いのは自宅を含む居住地(全体の40%)というデータがあります。
高齢者にとって夏はどこに居ても命の危険と隣り合わせの季節。
それなのに「家の親はエアコンを使ってくれない!」と悩んでいるお子さんも多いのではないでしょうか。

そこには高齢者なりにエアコンを使わない理由があるようです。
エアコンを使ってくれない高齢者を3タイプに分けて、どうやったらエアコンを使ってもらえるか考えてみましたので、お伝えしたいと思います。

この記事は高齢の親がエアコンを使ってくれなくて困っている人向けの記事となっています。

目次

エアコンを使わない人は3タイプに分けられる

エアコンを使わない人を観察すると以下の3つのタイプが存在することに気が付きました。

  • 電気代が心配で使わないタイプ
  • エアコンの風が気持ち悪いから使わないタイプ
  • そもそも暑いと感じていないタイプ

タイプ別に分けてみましたが、それぞれ言い分があり、さらに複数のタイプにまたがっている場合もあります。
タイプごと言い分を聞いてみて、どう対応したらベストか考えてみました。

電気代が心配で使わないタイプ

「エアコンは電気代が高いから使いたくない」という高齢者は多く居ると思います。
やはり物のない時代に生きてこられた方にとっては、エアコンは贅沢品というイメージは仕方のないことです。

そう心配している高齢者には、実際にエアコンの電気代がいくらかかるのか提示して安心して貰うのが一つの方法だと思います。

1日にかかるエアコン(冷房)の電気代は132円

先に結論を言いますと、1日にかかるエアコン(冷房)の電気代は132円です。
この数字はエアコンの機種や住環境によって大きく変わってきますので、あくまで試算ということで最初にご理解頂ければと思います。
親御さんに「132円なら使ってみようかね」と言ってもらえると嬉しいのですが・・・。
では、その計算方法と根拠についてお話しします。

電気代を計算する2種類の方法

エアコンの電気代を算出する方法は大きく分けて2つ。
期間消費電力量から割り出す方法と、消費電力から割り出す方法があります。

期間消費電力量から割り出す方法は、メーカーでも「このエアコンは1年の電気代が○万円ですよ」とうたうのに使っている方法です。
しかし、算出条件が厳しく、一般家庭でエアコンを利用した場合の電力代とは大きく異なってしまいます。

もう一つの消費電力から電気代を割り出す方法も、部屋の気密性や外気温の変化などが考慮されていないため、やはり正確な数字とは言えません。
ですが、あえてどちらかで算出するなら、消費電力から算出した方が、実際の電気代に近い数字になると思います。

というわけで今回は消費電力から電気代を計算してみたいと思います。

エアコン(冷房)の電気代を試算してみよう

今回試算に使ったエアコンはパナソニックのCS-X221D(6畳用)です。
スペックは以下の公式サイトから参照しています。

パナソニック CS-X221D スペック
https://panasonic.jp/aircon/p-db/CS-X221DS_spec.html

冷房時の消費電力は425(110~920)Wとなっています。
425が定格消費電力で、110が最低消費電力、920が最大消費電力です。
電気代の計算には定格消費電力の425Wを使います。

電気料金は東京電力の120kWh~300kWhまでの電気料金が26円48銭なので、銭以下を切り捨てて、26円を電気料金とします。

では、定格消費電力が425Wで、電気料が26円で計算してみます。

計算式

425W ÷ 1000 = 0.425kW
0.425kW × 26円/kWh = 11.05円

11.05円が冷房1時間あたりの電気代です。

この数字をもとに1時間、1日、1カ月の電気代を計算してみます。

期間ごとの電気代

1時間の電気代は11.05円
1日(12時間使用)の電気代は132.6円
1カ月(30日計算)の電気代は3,978円

という結果になりました。

エアコン(冷房)を1日使っても電気代は132円ということが分かりました。
ジュースに換算すれば約1本分程度です。

もし高齢の親後さんが「エアコンは電気代が高いから使わない」とおっしゃるようでしたら「エアコンの電気代は1日132円だから安心して使って」と教えてあげてください。
「そのくらいなら使おうかね」と思ってもらえればラッキーです!

132円を高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですが、
熱中症は命に関わることですから、これは必要経費だと思ってください。
そしてどうかご家族が気にかけてあげて頂きたいです。

少しでも電気代を減らしたいなら電力会社を見直してみる

もし月々の電気代が1万円を超えているのであれば、電力会社を見直すことで今よりも電気代が抑えられるかも知れません。

2016年4月から電力の自由化にともない、電力会社を自由に選べるようになりました。
CMなどでソフトバンクや楽天が電気を売っているのを見たことがあるかも知れません。
いくつかの企業が特色のある料金プランで新たなビジネスを始めていますが、
中でもJAPAN電気は電気を沢山使う家庭ほどお得になる電力会社です。

東京電力や中部電力の電気料金は電気使用量が少ないほど単価が安く、多く使うにつれて単価が高くなりますが、JAPAN電力はその逆で、電気使用量が多くなるにつれ単価が安くなる電力会社です。
電気使用量の少ない家庭ではあまりメリットがありませんが、電気を沢山使う家庭との相性がいいでしょう。

東京電力とJAPAN電力の料金表を比較してみます。

東京電力の料金表

1〜120kWh121kWh~300kWh301kWh~
19円88銭26円48銭30円57銭

他にアンペアに応じた基本料金が発生します。

JAPAN電力の料金表

1〜250KWh251〜400kWh401kWh〜
26.00円/kWh25.50円/kWh24.50円/kWh

JAPAN電力は基本料金は0円です。

東京電力は電気使用量が少ないうちは単価は安いのですが、電気使用量が多くなるにつれ単価が高くなります。
一方のJAPAN電力の方が電気使用量が少ないうちは、東京電力よりも単価が高いですが、電気使用量が高くなるにつれ単価が安くなっています。
その他、東京電力はアンペアに応じた基本料金が発生するのに対し、
JAPAN電力は基本料金が0円
です。

自分でもいくつかの電気使用量で試算してみたのですが、独り暮らしでほとんど電気を使わない世帯でない限り、JAPAN電力の方が電気代は安くなります。
やはり基本料金0円というのが効いています。
特に毎月の電気代が1万円を超えているなら検討してみる価値があります
試算すると月々で千円程度、年間で1万円もお得になりますよ!

→ 基本料金0円 JAPAN電気

エアコンの風が気持ち悪いから使わないタイプ

「エアコンの風が気持ち悪いから使わない」と言ってエアコンを使わない高齢者も多いです。
そういう僕もエアコンの風が苦手であまり使いたくない人です。(使いますけど)

体が熱い時は涼しい風はありがたいのですけど、体がクールダウンした後も冷やし続けると不快ですよね。
では、冷房使用時にエアコンから何℃の風がでているのでしょうか?
実際に計ってみました。

エアコンの送風口から出る風の温度は10℃

この日は外気温が38度近くあり、エアコンの設定温度は23℃で運転していました。
試しにどのくらいの温度の風が出ているのか計ってみると、

エアコンの送風口の温度1

送風口あたりの温度は約10℃でした。(拡大してみます)

エアコンの送風口の温度2

見えにくいですけど、10.1℃と表示されています。

エアコンから出る冷風は10℃であることがわかりました。
これはだいたい冷蔵庫の野菜室の温度です。

思うように動けない高齢者や小さいお子さんが、この冷気にずっと当たり続けるのは辛いでしょう。
体がクールダウンしたら、風も止まれば良いと思うんですけど、なかなかそうはならない。

そこでエアコンから出る直風をブロックする方法があります!

エアコンの風よけを自作する

風よけ

おばあちゃんの介護部屋では、エアコンのすぐ下に自作の風よけを設置しています
この風よけを設置することで、おばあちゃんも嫌がらずにエアコンを使えるようになりました。
食事の介助をしている、父や僕も冷風にさらされないので効果を感じています。
それに我が家にくる訪問看護さんや施設の職員さんも「これいい!」と評判です。

最初はアクリル板で小さい風よけを作ったのですが、エアコンを新しくしたら送風口の位置が変わってしまったため、ポリカダンでさらに大きい風よけを作りました。

市販の風よけを使う

風よけを自作するのが難しいという方には、市販のエアコンカバーという商品があります。
エアコンの前にカバーを設置して、風を弱める商品です。
数年前までこういった商品はなかったのですが、やはり需要があるのでしょうね。
メーカー純正で出して欲しいくらいです。
レビューを見ていると、介護だけではなく小さい子供を育てているママさんも利用しているみたいです。

カバーを使うときの注意点ですが、冷気がエアコンの周りにとどまりやすく、エアコンの利きが弱くなるかもしれません。
そういった場合、サーキュレーターを天井に向けて設置し、エアコン周囲の冷気をゆっくり循環させるといいですよ。

エアコンの風が苦手な人でも、直接風が来なければ、エアコンを使って貰えるかも知れませんので、家族の方はぜひ一度挑戦してみてください!

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この記事を書いた人

1982年生まれ。 おばあちゃんに可愛がられて育つ。
脳梗塞で介護度5になってしまったおばあちゃんの介護を通して、感じたことを発信しています。

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