介護が始まったら訪問診療してくれる医師を探しておこう

アイキャッチ 訪問診療の医師探し
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ほとんどの要介護者は薬の処方を受けていて、定期的に通院していると思います。
認知症が酷くなったり、移動できないくらい体が弱ってしまうと通院するのが難しくなります。
そうなったときに訪問診療してくれる先生が居ないと、入院や施設入所になってしまうことがあります。
ずっと家で介護を続けたい家族のために、介護が始まったら訪問診療してくれる先生を見つけておくことが急務となります。
ここでは訪問診療してくれる先生の探し方についてお話ししてみたいと思います。

目次

「訪問診療」と「往診」の違いについて

最初に訪問診療と往診の違いについておさらいしておきましょう。

  • 訪問診療:患者宅に計画的、定期的に訪問し、診療を行うもの
  • 往診:患者の要請に応じ、都度、患者宅を訪問し、診療を行うもの

在宅介護で毎月お医者さんに診て貰うのは、訪問診療に該当します。
一方で、急な発熱で、お医者さんに着てもらう場合は往診となります。

訪問診療の件数は年々増加傾向にあり、2006年から2014年までの間に約4倍(198,166件→645,992件)に増加しています。
団塊の世代が介護対象となってくる今後は、さらに需要の増加が予想されます。

一方往診の需要はほぼ横ばいという統計があります。

それでは本題にいきましょう。

訪問診療してくれる医師をみつけるには

訪問医師の探し方について、いくつか方法を書いてみたいと思います。
地域差もあり、どの地域でも訪問診療をしてくれる医師が見つかるとは限りませんが、できるだけ探してみましょう。

現在通院している医師に訪問診療して貰う

開業医であれば、もしかしたら訪問診療に対応してくれるかも知れないので、
まずは聞いて見ると良いと思います。
また、先生同士の繋がりもありますので、他に往訪問診療してくれる先生を知っていたら教えて貰えるといいと思います。
もし訪問診療してくれる先生を知っているようであれば、紹介状を書いてもらえると心強いです。

ケアマネに相談して探してもらう

ケアマネは介護事業所や多くの利用者との関わりがあるので、訪問診療している医師の存在について知っている可能性が高いです。
一度相談してみると良いと思います。

市役所の介護保険担当窓口

市役所の介護関係の窓口で、在宅医療に関する相談に対応してくれているはずです。
ただし、地域に在宅医療に対応している医師がいない場合はどうにもなりませんが、
聞くだけ聞いてみても良いと思います。

全国在宅療養支援医協会というところで、在宅医の見つけ方について詳しく書いてあります。
よかったら参考にしてみてください。

全国在宅療養支援医協会 【在宅医を見つけるには】
http://www.zaitakuiryo.or.jp/zaitaku/

ネットで探してみる

往診してくれる医師を検索することができます。
こういったサービスを利用してみるのも良いと思います。
僕の住んでいる地域は検索しても、検索結果が0件だったので、都市部に特化したサービスなのかも知れません。

ドクターズ・ファイル 【往診可のクリニック・病院】
https://doctorsfile.jp/search/ft10/

在宅介護できるかの分かれ目は医療体制の確保

厚生労働省に「在宅療養を行うことができた理由」という資料があります。

在宅療養を行うことができた理由
出典 厚生労働省 在宅医療の最近の動向 より
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/dl/h24_0711_01.pdf

このグラフからわかることは、在宅で介護ができるかどうかは「必要な在宅医療・介護サービスが確保できたため」と「家族等の介護者が確保できたため」の二つがクリアできることがとても重要であるということです。
「住宅改修等の住環境の整備ができたため」も快適性を確保するために重要と考えます。

実際、うちのおばあちゃんも今の医師に訪問診療して貰えなかったら、病院に入院か入所になるところでした。
在宅医療の確保は在宅で介護したい家族にとっては避けて通れない問題なのです。

訪問診療してくれる医師が少ない現状

医師の中でも訪問診療してくれる医師もいれば、訪問診療してくれない医師もいます。
また、医師の訪問診療対応には地域差もあり、○○の市ではかなりの割合で訪問診療してくれるのに、××市では訪問診療してくれる医師がいないという話しも聞いたります。
お医者さんも多忙なお仕事ですし、医師側にも事情があることなので仕方ないことですが、この状況は在宅で介護をする者にとっては憂慮すべき事態です。

医師数は増加傾向にあるが地方では医師不足

日本では高齢化が進んでいるため、訪問医療の需要も高まっています。
国も在宅介護を推進おり、医師の数は年々増加しているので、医師は足りてくるはずなのですが、実際のところ医師はまだ不足傾向にあります。
その理由が、医師が都市に集中してしまい、地方では医師不足が続いているのです。
地方では訪問医療に医師が回らないという現状があるのです。

そういった事情もあり、訪問医療に対応してくれる医師探しは難航しやすいのです。
ですので、介護が始まった段階で、訪問医療に対応してくださるお医者さん探しを始めた方がいいと考えています。

今後の遠隔診療が増えてくる

このままでは救われないので、今後なるであろう訪問医療の未来について少し書いてみたいと思います。

訪問医療のハードルをあげているのは、医師が患者宅へ行く行為です。
医師が病院に居ながら、患者の様子が分かり、それを診察したということにできれば訪問医療のハードルはぐんと下がります。
その辺を解決してくれるのが遠隔医療です。

すでに検温や血圧の測定、血中酸素飽和度の測定などは各家庭でもできるようになっています。
心音、肺音、腹音を聞く聴診器による診察ですが、これも誰でも間違いなく胸に心電計を貼れる装置を開発すれば、これらの音を波形データとして医師の元の送って医師に鑑定して貰えるようになるでしょう。
何らかの事故で心臓が停止してしまった人を蘇生するために使うAEDは、人体に電気ショックをあたえる機器ですが、この機器は緊急時に誰にでも扱えるような工夫がしてあります。
電気ショックという危険が伴う行為でありながら、誰でも安全に使えるようにしてあるというのがポイントです。

医師の診察は対面が理想ですが、それを補うような技術はすでに出来上がっています。
あとは制度的にそれらを認めることです。

医師の負担も減り、患者も在宅で診察して貰える、お互いに良いことだと思います。
最初は課題も出てくるでしょうけど、こういった試みはすでに始まっています。
数年後の医療が今よりも良い物になり、訪問診療(遠隔医療)で多くの高齢者が在宅で介護が受けられる時代になることを信じています。

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この記事を書いた人

1982年生まれ。 おばあちゃんに可愛がられて育つ。
脳梗塞で介護度5になってしまったおばあちゃんの介護を通して、感じたことを発信しています。

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