高齢者になると体温調整がうまくできず、また自分の状態をうまく伝えられないため、
気が付いたら熱っぽいことがよくあります。
特に夏の暑い時期や、真冬の暖房を強めに使う時期になると、すぐに37℃を超えるてしまうこともしばしばあります。
そういった体温上昇を防ぐためにも、普段から体温を測定して体温の管理に気をつけたいところです。
在宅介護が始まったら1つは用意しておきたい体温計ですが、どういった体温計が介護に向いているのかお話ししたいと思います。
体温計の2大メーカー
テルモとオムロン。
体温計のメーカーといえばこの2社の名前を聞いたことがあるかと思いますが、どういったメーカーなのかざっくりと紹介しましょう。
テルモ 創業 1921年(大正10)
優秀な体温計の国産化をめざして「赤線検温器株式会社」を設立
日本で初めての使い切り注射針を発売
日本で初めての血液バッグを発売
など、アナログ体温計製造の先駆けであり、現在は医療機器の大手メーカーです。
オムロン 創業 1933年(昭和8年5月)
レントゲン写真撮影用タイマの製造
世界初の無接点近接スイッチを開発
世界初の無人駅システム
それまでは水銀体温計が主流でしたが、電子部品メーカーの強みを生かして、
1983年に電子体温計「けんおんくん」を発売しています。
現在は電子部品の大手メーカーです。
医療器具メーカーのテルモと、電子部品メーカーのオムロン。
違うジャンルの会社ですが、体温計の2大メーカーとなっているのは面白いです。
実測式と予測式
体温計の計測方法には「実測式」と「予測式」の二種類があります。
実測式は計測に5分~10分ほどかかるタイプで、正確な値がでます。
アルコールや水銀を使った体温計や、一部の電子体温計がこのタイプです。
予測式は温度上昇を予測して最終的にどのくらいの温度になりそうか予測して結果を示すタイプです。
近年ではこちらが主流になっています。
また、予測式は数秒で測れますが、そのまま脇に挟んで計測し続ければ実測検温になる2WAYタイプもあります。
今回おすすめしたいのは、こちらの予測式の体温計です。
予測式がおすすめな理由
認知症があると体温を測る行為が理解できず、拒否がでてしまったり、
じっとしているのが苦手だったりするので、数秒で測り終わるのでとても便利です。
数分も待っているのは、本人も大変ですし、測る方も億劫になってしまいますよね。
便利な道具でなるべくストレスを減らしながら介護するのが在宅介護のコツだと思います。
これらは赤ちゃんや小さい子供にも当てはまるかもしれませんね。
大きなディスプレイ
介護する人の目がよければ、ディスプレイが小さくても良いのですが、
目が見えにくくなってきたという方は大きめのディスプレイが見やすくて良いです。
我が家で使っているタイプは小さいディスプレイですが、
訪問看護さんが使っている体温計はディスプレイが大きくて見やすいです。
あったら便利なバックライト
介護の場面では昼間の明るい部屋で体温測定をすることもあれば、暗い部屋で体温測定をする場合もあります。
たとえば夜のトイレ介助、おむつ交換の薄暗い部屋で、ちょっと気になって体温測定するような場面ではバックライトがあると便利です。
柔らかい先端
最近の機種は先端が柔らかいタイプがあります。
眠い時や、ご機嫌の悪い時に検温をすると嫌がりますし、ちょっとでも固いものが当たったら、
全力で拒否行動にでます。
そうなるともう測らせてくれなくなるので、なるべく痛い思いをさせないというのは重要です。
「あ~なんか痛いことされてる」って気持ちになると拒否されたりするんですよね。
先端が柔らかい体温計はそういった、測られる側のストレスを軽減するアイデアだと思います。
赤ちゃんにも良いかもですね!
アルコール消毒について
ほとんどの体温計は先端のアルコール消毒に対応しています。
消毒用アルコールをしみこませた脱脂綿できれいに拭いてください
表示画面はアルコール消毒に対応していない場合もあります。
詳しくは取り扱い説明書を読んでください。
訪問看護さんも体温計を使った後はアルコールで消毒しています。
家庭の中ではなかなか気にしませんが、病院や施設介護などでは、
アルコールで消毒しているはずなので、
体温計はアルコール消毒できることを知っておくといつか役にたつかも知れません。
(機種によっては水洗いできるものもあります)
電池の交換
我が家で使っている体温計は、毎日使っても1年以上電池が持ちますが、
機種によっては電池が交換できるタイプとできないタイプがあります。
事前に確認しておきましょう。
まとめ
急な体温上昇は風邪や肺炎のサインかも知れません。
見逃さないように一日に2回は検温することをおすすめします。
体温計を上手につかって一早く体調の変化に気づいてあげたいですね。